雁坂嶺
- かりさかれい -
(2004年5月)


【雁坂峠から見た雁坂嶺】

雁坂峠の北に位置するピークは、雁坂嶺と呼ばれています。

標高2289.2m。

関東百名山・山梨百名山にも選ばれた然るべき然るべき山なのですが、話題性も少なくいまいち地味な山です。

実際、ハイカーにとって主な関心は名所・雁坂峠であり、雁坂嶺のほうは甲武信岳方面へ抜ける単なる通過地点という様相です。

眺望はあるのですが、雁坂峠のほうがそれはずっと良く、さほどのインパクトはありません。

山名は立派なのですが、あまり特筆されることの少ない地味な山のようです。

「雁坂峠」からの続きです。
雁坂峠頂上までは、雁坂峠のページをご覧下さい。

雁坂峠頂上まできたものの、時刻はまだ午前10時前。

体力にもまだ余裕があります。

計画でも、もし雁坂峠登頂後も余裕があれば、雁坂嶺くらいは行けそうだな・・・と考えていたので、さっそく決行。

方角は北。 標識では破風山(破不山)方面へ進みます。
このような、やや木立のまばらな道を登っていきます。

この道は奥秩父主脈縦走路の一部でもあります。

さすが主脈縦走路なだけあって、まだ午前10時くらいなのに、2組ものハイカーに出会いました。
道はかなり開放感があり、振り返ると、雁坂峠のベンチが下のほうに見えます。
わずか30分ほど登ると、いくつもの標識がみえてきます。

ここが頂上のようです。
山頂には、三等三角点を含め、新旧さまざまな標識が4本くらい立っています。

そのひとつには、孫四郎峠への道標もありますが、そちらは廃道らしくすぐに行き止まりでした。
これは埼玉県の標識。

杭を3本も使った豪華な標識です。
こちらは山梨県側の標識。

「山梨百名山」を強力にアピールしています。

雁坂峠でもそうでしたが、なにやら埼玉県と競い合うかのような様相です。



両県の標識をそれほどいくつも見比べたわけではありませんが、この時の感想として、埼玉の標識は距離・方向の表示など機能的に優れています。

山梨の標識は、凝ったデザインや「山梨百名山」「日本三大峠」など人文的なアピールが技あり、といった感じがしました。
山梨県の標識には、なんと設置者の氏名が明記されています。

ちなみに忌憚の無いところを言わせてもらえば、私は埼玉の標識のほうに好感を持ちました。
山頂にひとつだけある大きなベンチ。

ここからの展望は右のとおりです。

山梨側は木がまばらで眺望が得られる一方、埼玉側は鬱蒼と茂っていて展望がありません。
山頂から、さらに道の先を眺めると、東破風山・西破風山が見えました。

その向こうには、甲武信岳らしきピークも伺えます。

途中すれ違った人に、まだこの時間なら西破風山まで足を延ばしてみては、とすすめられたのですが、連れの犬がバテ気味だったので、ここ雁坂嶺までで引き返すことにしました。

登山コースとしては単なる通過地点として扱われることの多い雁坂嶺。

しかし数年来の目標に到達したからなのか、登頂した時はなかなかの感慨がありました。